コラムニスト

ラーメンはアメリカで生き残り、さらに発展するのだろうか? [2/3]

Ken Ishiyama
2020年4月

前回は豚骨ラーメンで新たな火がついたラーメン人気が定着しつつあると同時に、アメリカ人の好みが微妙に変化していることをお伝えした。今回は、ドミナントブランドが未だ存在しないとは言いながらも主なラーメンブランドを歴史の古さや店舗数の多さなど基準に一部リストしてみた。


現在の主なプレーヤー

米国フランチャイズの常識としてチェーン数が 数百店舗に達しないとメジャープレーヤーとはみなされない。今、ラーメ業界で最大のチェーン数を持つのは JINYA Ramen and Barでありオープン済店舗は 50前後にとどまる。つまり、いまだにドミナントブランドはアメリカラーメン市場に存在せず、誰にでもチャンスがあると言っても過言ではない。

今、フランチャイズ展開するラーメンブランドを挙げると、JINYA Ramen Bar、 Silverlake Ramen、 Ramen Iroha、 Afuri Ramen+Dumpling、 Hokaido Ramen Santouka、 Rakkan Ramen等が挙げられるが、主なプレーヤーと言えるほどのブランドは存在しない。ただし、フランチャイズ展開ではなく、パンダエキスプレスと提携した Ippudo US(米国一風堂)が小型店舗スタイルで直営店を全米展開する可能性は十分にある。

Hokaido Ramen Santouka(山頭火ラーメン)は直営店を主体に(一部フランチャイズ店舗)全米に10店舗以上を展開するが日系スーパーにロケーションを依存しており全米ブランドの可能性には程遠く、また本部方針としてフランチャイズ展開を広げるプランはない。

Afuri Ramen+Dumplingは東京での成功故にアメリカ人にも比較的に知名度が高いのだが、手の込んだ豚骨スープ、ゆずを使う鶏ガラスープ、そして野菜スープと3種類のスープベースを用意するため多店舗展開するには厳しいオペレーションだ。

現在、最も力のあり先行しているのがJINYA Ramen and Bar (陣家ラーメン)なのだが、1号店、2号店、3号店と増やすたびに初期投資額が増えていくのが難点かもしれない。

Silverlake Ramen(シルバーレークラーメン)は比較的後発ながら直営店を軸に加盟店を確実に増やしている意味で有望ラーメンチェーンの一つに加えていいかもしれない。

Rakkan Ramenはこの中で一番新しくフランチャイズを始めてから1年も経過していない。店舗数も現在 直営3店舗だが、加盟店契約数は 10店舗ほどに達する。同ブランドの大きな違いは豚骨スープや他の動物系スープを一切使っていない点にあるが、詳細は次の最終コラムで説明しよう。


JINYA Ramen Bar1号店は、家賃 $5,000足らずで月商 $20万ドルを叩き出す超優良店である。

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