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ラーメンはアメリカで生き残り、さらに発展するのだろうか? [3/3]

Ken Ishiyama
2020年4月

米国ラーメン事情の最終回である。豚骨味でラーメン人気が全米に広がったこと、未だにドミナントブランドがないこと、さらにアメリカ人のラーメン熱にもヘルシー志向がじわじわと浸透している傾向を説明しよう。


野菜ラーメンの良さと悪さは何か?体には確かにいいのだが、味が物足りない、豚骨のような濃厚で芳醇な味わいがないことでかなり損をしている。一方、アメリカの豚骨ラーメンは決して飽きられてわけではない。日本人 のラーメン好きがはまる濃厚な香りと味はアメリカ人も大好きなのだ。同時に、1杯食べおわる頃には胃が重た過ぎる、もたれる、そして何よりもヘルシーには程遠い、カロリーも高過ぎることを気にするアメリカ人客が増えてきたのである。


今アメリカで大きなムーブメントになっているのが野菜ベース志向である。しかも、野菜であっても肉のような味わいが欲しい、見た目も肉のようにしてもらいたいとする客の要求が高まり、それに対応する食品が大変な人気を集めるようになった。ラーメン熱の変化の背景にはこのようなアメリカの飲食市場の大変化があるのだ。


ラーメンの未来は小型店舗そしてプラントベースへ進化


大胆に将来を予測するならば、アメリカ飲食のトレンドが米国ラーメンにもそっくりあてはまるのでないだろうか?数店舗の成功不成功の話ではなく、どのような経営スタイルが継続的に店舗数を増やし、継続的に成長できるかという議論である。アメリカでは従来 100~200席レストランは普通のサイズだった。今は違う。レント負担の大きさ、飲食スタッフが益々難しくなる一方での人件費高騰、チップを払わず人との接触を必ずしも好まないミレにある世代の増大などなど。さらに、若い世代は味覚に厳しく、ヘルシーで安全な食事を選択する。それらのニーズに応えるラーメンフランチャイズが今後の成長株になると思われる。


楽観ラーメン2号店はカリフォルニア州海沿いのレドンドビーチにある。白人住宅街にあり客層の大半は地元民。スープは野菜ベースでありながら豚骨を彷彿させる濃厚な味わいがアメリカ人に大受けしている。

上記のニーズに今最も合致するのが Rakkan Ramen (楽観ラーメン)であろう。 Rakkan DTLA店舗(ダウンタウン LA)は 25席の極小レストランでありながら月商 $13~14万ドルを売り上げる。スープ製法が独特でレストラン経験者でなくても短時間で習得できる。食材費も従来のラーメンレストランと比較し非常に低く抑えられる。フランチャイズによる多店舗運営に必要な要素はいろいろあるが、第一に利益率が高くシステム化されたオペレーションであること、従って1ヶ月以内の研修で誰でもできることが重要である。そのビジネスモデルに今一番近いのが楽観ラーメンかもしれない。1年後にアメリカのラーメン勢力図を改めて特集してみよう。

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