アメリカで冷たいコーヒーが季節問わずブームになっています。日本では明治時代からコーヒーを冷やして飲んでいると言われており今や日本人にとってアイスコーヒーは珍しい飲みものではありませんが、海外でのアイスコーヒーの歴史は浅くアメリカも例外ではありません。しかし、近年アメリカではアイスコーヒーがコーヒーチェーンの売上げを牽引するなど、冷たいコーヒーがブームになっています。
アイスコーヒーを好む若者たち
アメリカのビジネスニュースチャンネルCNBCでも、米国でのコールドコーヒーブームとその理由を紹介しています。
2023年、米国消費者はコーヒーに氷を入れたアイスコーヒー、冷水でコーヒーを抽出したコールドブリュー、フローズン状にしたコーヒードリンクなどを含む家以外の場所で提供されるコールドコーヒーに約177億ドルを費やしました。食品サービス調査会社テクノミックによると、これは2016年に消費者が費やした85億ドルの2倍以上です。
2024年度第3四半期のスターバックスの飲料売上高の約75%をコールドドリンクが占め、2013年の37%から増加傾向です。若いコーヒー愛飲者が成長を牽引しており、全米コーヒー協会が2024年7月に実施した調査によると、18~24歳のコーヒー愛飲者の45%が、過去1日に冷たいコーヒーを飲んだと答えました。一方、年配の世代は温かいコーヒーを好んでおり、この層が長年親しんできた嗜好を変えるのは難しいと、マーケットリサーチ会社ミンテルの米国食品飲料アナリスト、ケルシー・オルセン氏は述べています。
拡張性のあるコールドドリンク
コールドコーヒードリンクはカスタマイズ性が高く、大手コーヒーチェーンの人気メニューの多くは、シロップ、トッピング、ホイップクリームで構成されており、コーヒーの苦味を和らげることができるため、アイスコーヒーやコールドブリューは若い消費者にとって手軽なコーヒー入門編であると専門家は言っています。ダンキンドーナツやダッチブラザーズは、飲料の売上の大半はコールドドリンクによるものだとCNBCに語りました。
また、通常コールドドリンクは透明カップで提供するため、カスタマイズ性の高さは商品の見た目にも影響しており、ドリンクのいわゆるSNS映えを狙うこともできます。スターバックスではこの秋公開された映画Wickedとのコラボ商品「エルファバのコールドコーヒー」と題してコールドブリューコーヒーに緑色の抹茶フォームが溶け込んだドリンクを提供するなど、映画のキャラクターのイメージカラーをドリンクに反映し、タイアップ企画を実現しています。
米国では缶やボトルで販売されているレディー・トゥー・ドリンク部門のコーヒーも人気が高まっており、ユーロモニター・インターナショナルは、2019年から2023年の間に消費量は43%増加したと伝えています。コーヒードリンクなのか、エナジードリンクなのか判断がつきづらい商品もあるが、若者い消費者は気にかけていないようだと専門家は言っています。コーヒーの定義が曖昧になっている一方で、若者は新商品や新フレーバーに好意的に反応しています。「この世代が成長し、年を重ね、中年期に入るなどしても、いまの高齢消費者の場合と同じように、好みが変わることは無く、多くは維持されるだろう」とテクノミックのシニアプリンシパル、デビッド・ヘンケス氏は述べています。
情報元:
Here’s why Americans are obsessed with iced coffee (CNBC)
Starbucks Defies Gravity with New Beverages, Merchandise& More, Inspired by Universal Pictures’ WICKED (Starbucks)
米国進出、日米FCビジネスにご興味がある方は、
I. Fujita International, Inc( ichiro@ifujita.com )までお問合せ下さい。