ニューヨーク、ニュージャージー州を中心にペンシルベニア、ロードアイランド、コネチカット州といった米国北東部で店舗数を増やしているWonder(ワンダー)は2024年内に35店舗、2025年末までに90店舗の拡大を目指しているという、フードデリバリーサービスです。
起業家で元ウォルマートのEコマース部門取締役のマーク・ロア氏が創業・経営するワンダーは、有名シェフのレストランメニューを1回のオーダーでデリバリーするというのが特徴で、常時15ブランドほどのレストランメニューから選択しオーダーできる、さながらゴーストキッチンのフードコートです。店内には注文・決済用のタッチパネルが設置されており、来店客や配達員がフードを受け取るカウンターと、数席のイートインコーナーが設けられている以外はカウンターにスタッフが1~2人と、かなり無機質な空間です。
実際、キッチン含めその舞台裏はどうなっているのでしょうか。ニューヨークマガジンのレストラン批評家マシュー・シェ二エール氏がその仕組みを解説しています。ワンダーでは、シェフやレストラン経営者と契約後、ワンダーの“メニューエンジニア”チームがシェフと協議を重ね、拡張性のあるデリバリー可能なメニューを開発します。新しいメニューはまず、ブルックリンとニュージャージー州ウェストフィールドの試験店舗に導入され、その後、その他多くの店舗に展開されていきます。本格的にメニューに追加されると、ニュージャージーにあるセントラルキッチンでつくられたミールキットの状態で毎日ワンダーの各店舗に送られ、そこで注文に応じて仕上げられるわけです。ワンダーのキッチンには火がなく、すべての仕上げは、クイッククッキングオーブン、湯煎器、電気フライヤーを備えたオール電化キッチンにて、シェフではないスタッフによって調理され、オーダーからおよそ30分後に届くということです。ちなみにワンダーは昨年、ミールキットサービスのブルーエプロンを買収しました。
ロア氏は、元々店舗型ではなく、フードトラックでファインダイニングの味を自宅に届けるというコンセプトでファーストフード・デリバリーカテゴリ―のディスラプターとしてワンダーを立ち上げました。今年の3月には追加で7億ドルの資金調達を達成するなど、新たなビジネスモデルとしても注目を集めています。
情報元
You Can Order From Multiple Iconic Chefs In A Single Delivery…Here’s How(New York Live TV)
Wonder Is Everywhere, But What Is It? (Grub Street)
Are the Dishes Any Good at the Fastest-Growing Food Delivery in New York? (EaterNY版)
Wonder CEO Marc Lore on $700M capital raise: The big visions ‘a super app for mealtime’ (CNBC)
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