フランチャイズニュース

アメリカ生まれのスポーツ「ピックルボール」業界での陣取り合戦が過熱中

‘Gold Rush Mentality’ Heats Up Competition in Pickleball Space

December 5, 2024

テニスと卓球、バトミントンを掛け合わせたようなアメリカ生まれのスポーツ「ピックルボール」が急成長しています。フランチャイズビジネスに特化した、調査とアドバイザリーをおこなうFranData(フランデータ)の調査によると、コロナ禍以降ピックルボールの人気が急上昇し、プレー人口が前年比85.7%増加。2014年以来264%増加していると伝えています。

これを受け、Ace Pickleball Club(エース・ピックルボール・クラブ)、Crush Yard(クラッシュ・ヤード)、Dill Dinkers(ディル・ディンカーズ)、Pickleball Kingdom(ピックルボール・キングダム)、PickleRage(ピックルレージ)、PKL、The Pickle Pad(ザ・ピックル・パッド)、ThePicklr(ザ・ピックラー) の8ブランドは、2023年にフランチャイズシステムを導入しました。これら合わせて2025年末までに1,000拠点以上を追加する予定です。このうち6ブランドはそれぞれ100以上のユニットを販売したと伝えており、ディル・ディンカーズとピックルボール・キングダムは400ユニット以上を開発中であると報告しています。そして、ザ・ピックラー、ディル・ディンカーズ、ピックルボール・キングダムはすでに海外展開を視野に入れています。

不動産市場が厳しい中でフランチャイズがどれだけ早く施設を開設できるか、そしてそれらのユニットにどれだけ収益性があるかは、重要な要素です。

ディル・ディンカーズのブラン​​ドアンバサダーになった元プロ選手マルティナ・コクリ氏

最近ディル・ディンカーズのブラン​​ドアンバサダーになった元プロ選手で現在はピックルボールのコーチングと不動産コンサルティング事業を営むマルティナ・コクリ氏は「ピックルボールは、年齢やレベルに関係なく、誰でもプレイできる楽しい社交スポーツで、それこそが驚異的な成長を牽引している理由です。しかし、いまこのスポーツの妨げになっているのは、急増したプレー人口全員を収容できるコート、特に良質の屋内コートが足りないことです」と話します。また、このコート不足の状況が、各ブランドが慌ただしく複数の開発契約を進め、プロリーグやトップ選手とのパートナーシップ締結競争を激化させている原因だとも述べています。更に「本当にしっかりした不動産計画を持ち、最高のプログラミングとコート予約システムを導入したブランドが最も成功するでしょう。そうでなければ苦戦するでしょう」と彼女は付け加えました。

 

2 つのビジネスモデル

積極的にフランチャイズ展開している 8ブランドは主に2つのビジネスモデルに分類できます。主にメンバーシップと従量課金制で支えられたコートの占有率によって収益を上げるモデルと、家族や友人たちと食事を楽しみながらエンターテイメント体験を提供するモデルです。

また、そのモデルの中でもピックルボールを重視するモデルや、フィットネスアプローチを重視するモデル、屋内型、屋外型などに分かれます。

現在営業中の 8ブランドのうち、フランチャイズ開示文書で収益実績を開示しているのは4 ブランドだけです。PKLはユニット当たりの平均が 440万ドルで、これにピックルボール・キングダムが170万ドル、エース・ピックルボール・クラブが130万ドル、ピックラーが 60万1,347ドルと続きます。

 

高額な初期費用

屋内ピックルボールブランドの初期投資は32万8,961ドルから始まり、規模、場所、提供するアメニティに応じて600 万ドル以上にもなります。収益源は通常、一般的なメンバーシップ料金で月額50ドルから100ドル。レッスン料や、リーグ、トーナメントといったイベントの開催が収益源になります。

The Picklr

ピックラー共同創業者オースティン・ウッド氏

ホルヘ・バラガン氏とオースティン・ウッド氏が共同創業者のピックラーは、2021年に最初の法人店舗をオープンし、その後、6店舗を直営でオープンしました。その後17店舗を構え、405店舗をフランチャイズに販売しており、その中には元NFLスター選手ドリュー・ブリーズ氏とブランドアンバサダー兼自身の店舗をオープンするという契約も含まれています。また、ElbeeSports Inc.(エルビー・スポーツ・インク)と60店舗の契約を結んでいます。ウッド氏は「今やカナダ、オーストラリア、ニュージーランドに進出し急速成長するための経験と理解が得られたと感じています」と語っています。

Pickleball Kingdom 

ピックルボール・キングダムの創設者兼CEOのエース・ロドリゲス氏は、同社は来年までに100店舗をオープンする予定で、今後数年間で500店舗以上を目標にしており「5年以内に世界中のすべての国に進出したい」と述べ、その皮切りにインドとアラブ首長国連邦に展開を始める予定です。

エース・ピックルボール創業者・社長ジョー・セクストン氏

Ace Pickleball Club

他のブランドよりも慎重な開発アプローチをしているエース・ピックルボールは直営店5店舗とフランチャイズ店4店舗を所有しており、経験豊富なマルチユニット運営業者24社に120店舗を販売しています。「急成長を目指し、リーススペースに多額の費用を支払っている他のブランドとは異なり、当社は開発に非常に慎重かつ思慮深いアプローチを取っています。当社は長期戦を視野に入れており、運営業者が成功する可能性を最大限に高めたいと考えています」と創業者で社長のジョー・セクストン氏は話し、「いまピックルボール業界はゴールドラッシュの様相で、多くのブランドが飛び入りしスペース争いをしています」と言いました。

*この記事の全文オリジナルは、Franchise Times(英語版)
‘Gold Rush Mentality’ Heats Up Competition in Pickleball Space をご覧ください。

*この記事に関するお問い合わせは info@franchisetimes.com へお問い合わせください。(英語のみ)

ホームに戻る