フランチャイズニュース

DON FOX

コロナ禍の後にファーストカジュアルが大盛況になる理由

How COVID Clarified Fast Casual’s Past, Present, and Future

April 19, 2021
ドン・フォックス氏はFirehouse of America, LLCのCEOとして活躍中です。同社はファーストカジュアルのリーダ的ブランド「Firehouse Subs」 (1,190ユニット)を経営しています。

コロナの終息後、ファーストカジュアル業態が大隆盛するチャンスが生まれると予想されます。パンデミックはレストラン業界を完全に塗り替えてしまいました。数万どころか10万件以上が閉店に追い込まれましたが、その大半はフルサービスレストランと個人経営店でした。しかし、惨憺たる状況の中にも希望を抱かせる兆候も出現したのです。クイックサービスやピザ業の好調ぶりは誰にでも理解できます。

しかし、レストラン業界の中核を成すファーストカジュアルレストランのコロナ以後の状況はどうなるのか?それを予測するにはフランチャイズの最も基本となる不動産のセグメントを知る必要があります。


1億円投資の店で年商2億円の実現はリスク高

1990年以前、ファーストカジュアルが出現するまでの飲食市場はシンプルに色分けされていました。ファーストフード、ビュッフェ、ピザ屋、それとフルサービスレストランで構成され、店を1軒オープンするにも多大な投資をしていたもので、1店舗当たり$1ミリオンは常識でした。しかし、圧倒的な存在のファーストフードに対抗し、初期投資1億円をかけても年間2億円を売り上げられるリスクは高くなっていったのです。

新しく革新的な店舗開発をレストラン経営者は模索し始め、店舗工事も低コストで行われるケースが増え、イノベーションが合言葉のように浸透していきました。高成長のピザレストランやサンドイッチブランドが次々と誕生し、ファーストカジュアルの温床が育っていったのです。

クイックサービスの圧倒的な力、それは便利の良さと価格の低さ、ビジビリティにありますが、 それに打ち勝つには品質、サービスの良さ、店内の雰囲気などクイックサービスより優れたレストラン経験を提供することでした。さらに、クリックサービスほどではないが、客サービスを早くすれば十分に対抗できる新コンセプトとしてファーストカジュアルが大きく成長した経緯があります。  

店舗外の販売、つまりテークアウトやデリバリーを強調したファーストカジュアルブランドはパンデミック中も業績を落としませんでした。つまり、メニューの種類とは関係なく、オンライン注文、カーブサイドピックアップ(テークアウトの一つ)、外部サービスによるデリバリーをコロナ発生以前から実施していたブランドは一歩先を進んでいた訳です。


イートイン売上は50%から37%そしてさらに減少する

そこで、本題のパンデミック以後のレストラン業界の話になります。一体、どのようなレストラン業界に変わるのか?実はパンデミック以前から深く進行していたことですが、店舗内の食事から店舗外への移行がどんどん進んでいたのです。8年前には店舗内の食事が全売上の50パーセントを占めていました。2020年初めには37%まで減少していました。「イートインの売り上げがゼロになることは絶対にない。」と我々業界人は信じていたのですが、2020年3月16日、まさにゼロとなる状況が発生したのです。


パンデミック後のルネッサンス期にファーストカジュアルが大飛躍する

店舗外の営業という新しい業界状況に合格することを前提にした上ですが、ここで不動産が新しい意味を持つようになります。パンデミック後に再び多くのレストランが参入してきます。路面店、ドライブスルーなど様々な立地が豊富に市場に出回ります。クイックサービスとファーストカジュアルの境界線はさらに微妙に重なってくるでしょう。何れにしても、レストランの外で食事を求める客に対応できるかどうかが成功と失敗の分かれ目になります。しかし、すべてのセグメントを考慮した時、ファーストカジュアルこそが一番有利なポジションにいることだけは確かでしょう。レストラン業界のルネサンスが始まります。


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