マクドナルドとスターバックスの両ブランドが2024年第2四半期に世界規模で売り上げを落とすという業界では大きな発表がありました。
まずはマクドナルドから見ていきます。同ブランドの売り上げ減は4年ぶりで実にコロナ以降初めてです。本年度4月〜6月の期間に前年比1%の減少を記録、マクドナルドにとってはかなりショッキングな結果と言えます。
専門筋はインフレに嫌気がさした消費者の多くが外食しなくなった結果としています。マクドナルドCEOは投資家向けのコメントとして客を呼び戻すために価格を見直すと述べています。インフレの影響についてはアメリカもさることながらオーストラリアの例がわかりやすく、2019年にビッグマックは$5.75でしたが現在$7.90で40%の値上がりです。ちょっとした食事でも客単価は$12になってしまいます、と客の一人はコメントしています。マクドナルド側は「それでも他のレストランよりはずっと安い」と言いますが、インフレを懸念する消費者が外食離れしている状況は認めざるを得ません。
スターバックスの売り上げ減少はもっと深刻で、減少率は3%です。これで2期連続の売り上げ減になります。来客数の減少が直接的な原因だとラックスマン・ナラシマンCEOはインタビューに答えていますが、特に新規客の来店が増えていないとの分析です。来客数の減少は6%減とナラシマンCEOは発表しています。
さらに詳しく見れば、上記の非常連客にはスターバックスのリワードプランのベネフィットがなく、しかもこれら非常連客がスターバックス全売上の40%を占めている、とナラシマンCEOは指摘します。常連客は相変わらずスターバックスに通い続けてくれるのですが、一般客はそのような特典もなく、他のコーヒーチェーンに行く選択肢を持っているし、自宅で済ませる選択肢もある結果が現れているとナラシマンCEOは分析しています。しかし、スターバックスで進行中の「再発明プラン」(reinvention plan)が機能し始めていると同CEOは説明しています。再発明プランとはリモデル店舗の紹介、新メニュー導入、アプローチや客の待ち時間短縮、セットメニューによる新価格などによる新規客の獲得プランを意味します。
情報元:
Hit with falling sales, McDonald's extends popular $5 meal deal, eyes big new burger (USA TODAY)
Why Americans are snubbing McDonald’s and Starbucks (CNN)
Price-conscious consumers are behind Starbucks’ sales slip for second quarter in a row (Nation's Restaurant News)
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