2024年、食材や人件費の高騰、消費者の経済的逼迫、熾烈な競争に再び直面したレストラン経営者は、2025年に向けて、より一層ビジネスの成長と保守に重点を置いています。経営者たちはどのように、マーケティング戦略の強化、新メニュー開発、価格戦略、食事体験の創出、日常業務での自動化とAIの活用、無駄の削減を計画しているのか。これまで10,000軒以上のレストランにマーケティング調査やコンサルテーションを提供しているPopmenuが、米国のレストラン運営者359社と米国消費者1,000人を対象に最近行った調査結果を発表しました。
「2024年はレストランにとって非常に厳しい年でした。2025年に向け、経営者たちはデジタルやメニュー計画が大きなカギを握ると確信しており、迅速に戦略を立ち上げています。その核となるのは、より多くの顧客に継続的にリーチし、他の競合よりも顧客を熟知し、よりパーソナライズされた手法で顧客と継続的に関わり合いを持つことです」とPopmenuのCEO兼共同創設者であるブレンダン・スウィーニー氏は述べています。
2025年レストランビジネスの見通し
レストラン経営者の大多数(62%)が、今後1年間のビジネス見通しについて慎重ながらも楽観的であると回答し、29%の回答者は非常に楽観的と答えています。回答者のおよそ3分の1(32%)が、新しい店舗を開店、もしくは、既存の店舗を拡大する予定です。
消費者目線
消費者の観点からすると、69%が現在少なくとも週に1回はレストランで食事をするもしくは、レストランからテイクアウトまたはデリバリーを注文していると回答しており、昨年の調査の75%から減少しています。大多数の消費者(62%)が今後のレストランでの支出が2024年と比較して横ばいになると考えていますが、4人に1人(23%)の消費者は今年はレストランでの消費の増加を見込んでいます。また、消費者がレストランを選ぶときのポイントとして、72%が財布に優しい、50%がディスカウントやスペシャルオファーを決め手に選んでいます。
2025年レストランオーナーのビジネス計画
#1 より多くの顧客にリーチし、密接な関係構築をする
レストラン経営者の4 分の 3 が今年マーケティング活動を増やす予定です。顧客の好みに関する堅牢なプロファイルを構築することで、よりカスタムされたメッセージやオファーをSNSやEメールで送信したり、顧客レビューにタイムリーに返信したりすることで、関係構築を図ります。「これは最高の食事と卓越したサービス提供の次にレストラン事業にとって大切なことかもしれません」と、Henri’sBakery and DeliのCEOジョエル・ケラー氏は話します。
#2 期間限定メニュー、変動価格設定の導入、ユニークな食事体験
経営者たちは、期間限定メニューを提供することでマーケティング効果を狙ったり、予算重視の消費者を取り込むためのお得なメニューを計画しています。また、レストラン経営者の半数以上の57%がメニュー価格の値上げを検討しています。しかし、これは昨年の71%、2022年の93%から改善しており、それには、食材費が比較的管理しやすくなったことで、予算に余裕のない消費者にアピールしたい背景があります。また、5社に1社(22%)は、変動メニュー価格設定(需要、時間帯、曜日、季節性に基づいて価格を変動させる)を検討しています。そして、消費者はレストランでの食事に特別な体験を求めていることからも、74%の経営者たちが、食事だけでなく際立った食事体験、例えばホリデーイベントや生演奏、ユニークな店内装飾などを計画しています。
#3 AI、自動化の拡大
注文の受付や料理の準備から事業運営やマーケティングまで、3分の 1 の運営者(34%)がレストランで既にAIテクノロジーを導入しており、48%が2025年に導入する予定です。経営者の半数以上(54%)は、今後3年間でAIがレストランの定番になると考えており、20%はAIは既に定番になっていると考えています。
#4 無駄、道具、手数料の削減
事業者は、経営と環境保全の両方の観点から、食品資源を無駄にせず最大限に活用する方法を模索しています。また、従来の複数のツールと同じ機能性をもつより少ないツールを導入することで、最終的に時間とコスト削減を目指しています。さらに、4社中 3 社の事業者がオンライン注文の手数料削減を検討しています。具体的な戦略としては、高額な手数料を避けるために自社サイトでより多くのオンライン注文を受け付けつつ、新規顧客を取り込むためにサードパーティの配送サイトを確保することです。
情報元
Restaurant Trends to Watch in 2025(Popmenu)