州政府がレストラン再開の指示を出すタイミングが近づいている。ジョージア州は4月27日再開という早すぎる発表をしている。いずれにしても、再開に必要な厳しいガイドラインを伴うことは間違いない。今から準備しておけば間際になって慌てることもない。特に、早期の準備は複数店舗を持つ経営者にとって重要だ。州や市によって多少は異なるだろうが、予想される共通のルールについて解説しよう。以下は全米レストラン協会が発表したガイドラインの概要である。
英文ガイドラインの全容はここからダウンロード
フードの安全が第一優先
食の安全を第一優先にしよう。特にコロナウイルスに該当する注意は以下の通り:
- 病気の従業員を職場に入れない
- 手の洗い方とタイミングを詳細に厳しく指示
- 床、テーブル、調理台その他表面の洗浄と消毒を厳しく励行
- キッチン責任者が食の安全証明書を取得済みのマネジャーであること
- 現場責任者は営業時間中は常時その場にいること
従業員が知っておくべきこと
レストラン経営者は最新のFDA、CDC、 EPA のガイドラインと市行政の指針規則にそって店のオペレーションマニュアルを更新する。
- ソーシャルディスタンス( 1.8mの距離をおく)を守り、防御用具を揃える
- 従業員の健康を守るクリーニング、消毒、殺菌の徹底
- 期限切れの食材はすべて破棄
- サラダバーやビュッフェスタイルのレストランは必ずくしゃみガードを設置する
- テークアウトを提供する場合はミニマム以上のクーラー在庫を揃える
- 責任者はServSafe証明書を所持していること
ServSafeの詳細リンクはこちら
再開後の営業時間で特に重要なこと
- レストラン施設全体をくまなく清掃、消毒する。特にスタッフや客が頻繁に触れる箇所の清掃消毒を徹底する。
- 殺菌する時、食材があたる表面をすべて避ける
- テーブル客が入れ替わるたびに、テーブル上の調味料入れ、デジタル注文デバイス、伝票入れトレイ、セルフサービスエリア、テーブル表面、共通に触るエリアを消毒する。布や 紙に巻いたナイフ&フォークに切り替える。事前のテーブルセッティングはしない。
- セルフサービスにレモンやむき出しのストロー等を置かない
- .継続使用するメニューは拭き、消毒する。紙メニューなら客ごとに捨てる。
- トイレを定期清掃&消毒する。使う頻度にそって消毒作業を実施する
- 客用の手指消毒剤を設置、触れなくても消毒液を出せる器具を考慮する
従業員の健康状態と個人の衛生管理状態をモニターする
このセクションはレストランにとって最も重要な項目の1つです。客側の立場に立ってみましょう。店が衛生管理をしっかり実行しているところを見て安心したいのです。特に、調理しているのは誰なのか、当人の健康はしっかりモニターされているのかなどを一番気にします。職場にもどる従業員側もまた自身たちが安全なのか心配です。それをレストランが達成すべき目標ナンバーワンにしましょう。見知らぬ客にサーブするスタッフ側のリスクと不安が職場に戻ることを躊躇させていることをまず理解してください。本件に関する全米レストラン協会のガイドラインは以下の通りです。
- FDAフード規則に従い、体調の悪い従業員は自宅待機とする
- 従業員が体調不良を訴えたり症状が見えた場合、営業を始める前のスクリーニングでキャッチし、それぞれの方針に沿って対処します(事前チェックを行い、店で勤務させない)。最低ラインとして、CDCガイドラインに従い、症状があるスタッフは1週間の自己隔離、症状のないスタッフは3日間の自己隔離を守りましょう。
- CDCは義務付けてはいませんが、スタッフの体温計測を推奨します。熱があるかないかのボーダーラインは100 ℉です。
- 他人を感染させない有効手段としてマスク着用をCDC は推奨しています(義務化しているケースが大半)。 180センチの距離をあけることが難しい場面がレストランでは頻繁に発生するので、マスク着用は必須です。マスク自体の清潔 維持についてもCDCガイドに従ってください。リンクはこちら
- 手洗いの重要性を徹底するスタッフトレーニングを実施する。手指消毒剤のアルコール濃度は 60%以上です
ソーシャルディスタンスのガイドライン
レストラン再開の時期は誰にも予測できません。しかし、再開されても以前と同じオペレーションにならないことは確実です。役所が客席の間隔その他について規制を設けることは十分に予想されます。義務化されない場合でも、次のような配慮、準備をすべきでしょう。
- ダイニングエリアのフロアプランを必要に応じて変える。少なくと客テーブルが 180センチ以上離れるように再配置しなければなりません。CDC の指示と市規則に従ってグループ客の数を制限します。予約客のみ受け付けるシステムに切り替える必要がありますね。ブース席の場合はその間に仕切りを設置することになるでしょう。
- あなたのレストランでソーシャルディスタンスの規制を持っていることをデリバリー業者に伝えましょう。
- 熱がある人やコロナウイルスの症状を持つ客は入れないことを伝えるサインを店頭に設置。
- サーバーと客の接近に備え、サーバーのマスク着用を必須にしましょう。
- .可能ならばキャッシュレジにプレキシグラスのような仕切りを設置する。
- できる限り人間同士のコンタクトを防ぐためテクノロジーを採用する。携帯からの注文、席が空いたことを知らせるテキストメッセージ、人と接触しない決済など。
- 客に手指消毒剤(できれば触れなくて済むタイプ)を提供する。ワークステーションにも手指消毒剤を設置、客にソーシャルディスタンスを守るよう伝えるメッセージボードを設置など(協力に対する感謝の言葉をお忘れなく)。
- キッチン内でスタッフの 180センチ空けが困難な場合はマスク着用、調理台その他表面の清掃と消毒を頻繁に実施する。