フランチャイズニュース

BY NICHOLAS UPTON

人種問題はタフな話題だが避けては通れない

The Race Conversation Is Tough, but Crucial

June 19, 2020

ミネアポリスで警官によるジョージ・ フロイド氏殺害事件が起きた後、人種問題の議論が全米に広がった。アメリカでは非常にセンシティブな、そしてタブー視されてきた大きなトピックに各界のビジネス指導者たちは向き合わざるを得なくなったのである。加盟店協会連盟のエグエクティブディレクター、ミスティ・チャリー女史はフロイド氏殺害事件の事情やその後の社会不安について意見や情報を共有するように組織の会員に呼びかけたのだが、政治的な「地雷」に触れることを避ける人たちが大半だったという。「加盟店オーナーの多くは自分の名前が表沙汰になり標的になるのを恐れたのです。ただでさえコロナ禍のために店をオープンできるのか苦しんでいた状況ですから理解はできます。」とチャリー氏は答えている。

だが、エディブル・フランチャイズ(アトランタ)のチーク・ブープ社長は沈黙がもっと悪いと考えており、「青写真がないことが良くないと思うのです。あまりにもタブー視され、話題から遠ざけられてきたので、きちんとした話すらしてこなかったことが一番不幸なのだと思います。もう、正面から向き合い、意見を述べる段階です。」と述べている。大勢の前で意見を述べよう、という意味ではなく、加盟店が時間を割いてこの問題について語ることは強いインパクトを生むとブープ社長は考えている。なぜなら、加盟店オーナーは大会社や大組織とは異なり、従業スタッフや顔見知りの客たちとより強い共感意識を持てるからだ。身構えることなく気さくに話せるでしょう、とブープ社長は強調する。

ビジネスオーナーの一人として、あるいはマネジャーとして人種の違う従業スタッフに対し「あなたはうちにとって大切な人です。」と相手に伝えるのは非常にパワーフルな影響力を持つものである。ただし、政治議論に持ち込まないことが肝要と彼は釘をさす。何百年も続いてきた人種問題である。特定の政治家や誰かを非難しても始まらないと彼は考える。

もし、従業員のなかに人種差別で苦しむようなケースがあれば、その不満や怒りはどこかに捌け口を求めるものだ。事業運営にとっても生産性を下げる大きな問題である。もっと悪くすると、タコベルのスタッフ、デンゼル・スキナーのように差別の不満をソーシャルメディアの投稿し、全米中で炎上してしまったケースもある。デンゼルは店内で「黒人の命も重要だ。」と書かれたマスクをしていただけなのだが、マスクの基準まではタコベルも気がつかなかったのだろう。

加盟店オーナーはコミュニティのビジネスリーダーである。意見の相違はあるだろう。しかし、見て見ぬふりの態度は状況をはるかに悪くするとブープ社長は考える。「教会の神父たちだけがリーダーではないのです。事業を運営するのは個人個人ですから、我々みんなが向き合い、意見を述べるべきでしょう。」とブープ社長はインタビューに答えている。

Cheikh Mboup, president of Edible

エディブルフランチャイズについて:

会社名: Edible Arrangements, LLC.

店舗数:1,220

創立: 2000年(フランチャイズ開始は2001)

本部所在地:アトランタ、ジョージア州

主なビジネス:フルーツ、ヨーグルト、チョコレート、を花束のように加工したプロダクツを販売。路面店、ショッピングモール内など立地の選択範囲は広い。配達ビジネスが売上の多くを占める。

ホームに戻る