新たなフランチャイズが出現する度に大きな関心を集めます。特に、全米に数百の多店舗契約を結んだとか、店頭に客が殺到した等、大きなニュースになります。しかし、実際は遥かに厳しいものがあります。
一見、10ユニットに達成するのは簡単だと思われがちです。ですが、フランチャイズ業界においてこの数字は次のレベルの進むかどうか重要な分岐点になります。さらに、ロイヤルティ収入だけで事業を継続させるレベルに達するには50ユニット前後が必須です。そして、このレベルに達するのが至難の技なのです。その規模からさらに100 ユニットに発展できるのは16%、そしてさらに 500+まで成長できるのは4 %に過ぎません。
それでもなお平均300 の新規ブランドが毎年誕生しており、加盟店候補はかなり難しい選択を迫られます。新規ブランドを評価するにはかなりの専門知識と調査が必要になるものですが、そのキーポイントについて解説してみましょう。
スタートアップの実情を把握する:
1、2ロケーションでスタートするケースが多いのですが、その多くは長続きしません。直営店を長く運営してきた背景のもとにフランチャイズを始めたのか?良い店舗業績をバックにフランチャイズ化したのか?それとも本当に新しいコンセプトでフランチャイズ開発だけの事業体なのか(店舗がなくてもフランチャイズ化は可能なので)?要するに、どれだけフランチャイズ以前にどんな業績を残してきたのか、何ユニットを経営しているのか等を確認しましょう。もし、フランチャイズ歴3年以上でオープン店舗が1か2ユニットだとすれば、それは欠陥フランチャイズに間違いなく避けるべきでしょう。その一方で、何十、何百と契約したのにオープンしたユニットがほとんどない場合はもっとリスキーです。FDD(フランチャイズ開示書類Item 20 を参照しましょう)。
経営陣のプロフィールをチェックしよう:
創立者が指揮するブランドですか?それともフランチャイズのプロフェッショナルが指導するブランドでしょうか?プロフェッショナルと呼ばれる人たちは他のフランチャイズを様々に経験してきています。なぜ、そのブランドを選んだのか質問しましょう。逆に、創立者の資質だけを頼るのも考えものです。リーダーシップは変化しますから、加盟店契約をサインする際にチームプロフィールをしっかり研究してください。
財務状況を検討する:
そして万一失敗した時、貴方自身がどこまでの経済リスクに耐えられるかを勘案します。財務状況をどこまで正直に開示しているのか重要なポイントです。FDD Item19に財務業績が開示されているかどうか確認しましょう(開示するかしないかは本部側の判断による)。直営店2〜3店舗であっても業績を開示することはできるのですから、その売り上げ、利益をチェックし、ロイヤルティを払った後十分な利益を期待できるのかどうかを事前に把握すべきでしょう。オープン店舗があるのに Item 19 に情報が開示されていない場合は赤信号です。「もし、利益を出しているのならなぜ財務データを開示しないのですか?」ということになりますね。
成長ペースを見る:
本部が拡大プランのどこにフォーカスしているのか?加盟店の成長はどこから生まれるのか?一つの目安として本部ベースの地域に拡大するのはブランド認知を高め加盟店にもプラスしますが、離れた地域 まで拡大する場合はビジネス開発が難しくなりやすく手厚いサポートの提供が困難になりやすいのです。
本部サポートは行き届いているか:
フランチャイズ本部の初年度が一番手強い年になります。加盟店が助けを求めるのはこの期間に集中しがちです。この期間中には本部は普段より手厚いサポートをを心がけるべきであり、特に最初の90日が極めて重要になります。継続サポートをするためのインフラとスタッフを整備しておきます。加盟店と契約する前に運営マニュアルを準備しトレーニングプログラムも揃えておくべきです。そして、これらの詳細はFDDに記載されていないのが通例なので、質疑応答その他のプロセスを踏んで十分に理解を深めておくべきでしょう。
候補者が加盟店契約に署名する段階に入った時、新規フランチャイズの場合は特に契約条件は言われたままではなく「交渉可能」であることを承知してかかるべきでしょう。最終契約は候補者が新規フランチャイズに参加するリスクを反映させたものが望ましいと言えます。
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ローラ・マイケルスはフランチャイズタイムズ誌の編集方針の全体をリードするポジションにあります。ローラは海外フランチャイズ開発に特に詳しく米国フランチャイズが海外進出する際の舞台裏に精通しています。